奥様を調査せよ〈4〉

奥さんは木陰のベンチに座り、大きなカバンから、読み物やお弁当を出した。奥さんは老人にお弁当を食べさせていた。老人は無表情に口だけを動かしていた。この老人は誰なのか?父親?親戚?
私は依頼者に連絡を入れた。老人のことを確認すると、全く心当たりがないという。
食事を終えると、また付近をゆっくり散歩して、施設に戻っていった。奥さんは、また2時間かけて車を走らせ帰宅した。
私は老人の素性を調査することにした。
老人の名前、住所、経歴など。
調査はそんなに大変ではなく、あんがいスムーズに詳細を確認することができた。
ただ、奥さんとの繋がりがみえてこない。老人は、孤児施設の経営者だった。現在は引退している。貯金の殆どを孤児施設に寄付するような立派な人物。だが、身寄りもなく、老人を訪ねてくるのは奥さんだけのようだ。施設の関係者も奥さんのことは何も分からないし、聞いても知人としか話してくれないようだ。
もしかして奥さんは孤児施設で育ったのか?
いや、そんなことはなかった。奥さんは、お嬢さま育ち。奥さんと老人の関係を調べなければ。

奥様を調査せよ〈3〉

今日の奥さんはいつもと違って動きやすいラフな格好をしている。大きなカバンを持って車に乗り出発。探偵の予想としては、好きな男に会いに行く雰囲気ではないと。何か事情がありそうな予感も感じさせる。
休憩なしで高速を二時間程走り、小高い丘にひっそりと立つ老人施設に入っていった。この施設のことは、依頼者からの情報にはなかった。お見舞いなのか?30分も経たないうちに、奥さんは老人の乗った車イスを押して出てきた。奥さんは老人を慣れた感じで車に乗せた。車を走らせ30分、緑が美しい公園に到着。老人を車イスに乗せて、公園内をゆっくり散歩していた。二人は何故か会話を一切しない。老人が話せないのかもしれない。もしくは、痴呆なのかもしれない。老人に感情がないようにも見えた。

奥様を調査せよ〈2〉

奥様の調査が始まった。年は53歳だが、かるく10歳は若く見える。とても品のある美しい女性だった。派手な感じはなく、生まれもっての品の良さがにじみ出ている。一週間、連続で尾行を行ったが、怪しい行動など一才なかった。男性と会うことは一度もなく、人と会ったのは、友人らしき女性と二人で、一流ホテルのラウンジでアフタヌーンティーを楽しむ程度だった。あとは美容室やサロン等、用事を済ませたら真っ直ぐ帰宅する感じだった。旦那さんの取り越し苦労だろうとも思った。ただ、あんなに美しくて素敵な奥さんなら、疑われてもというより、心配になるのも仕方はない。明日も尾行を続ける。

奥様を調査せよ〈1〉

ある暑い日だった。とても紳士的な雰囲気の中年男性が私の事務所を訪れた。年は50半ばごろ、品の良い顔立ち。男性は落ち着いた渋い声で、『身内の調査をお願いしたいのですが、情報が漏れることだけは避けたいと思っています。失礼な質問ですが、こちらはその点は大丈夫でしょうか?』
私は迷わず「お任せください、大丈夫です。」と答えた。
男性を応接室に通すと、直ぐに名刺を差し出してくれた。
私は名刺を見て暫く固まった。とても有名な大企業の社長さんだった。
男性は『恥ずかしいお話しですが、妻のことを調べて頂きたいのです。』と淡々と話しを始めた。『おそらく彼女は浮気をしています。浮気をしている事実と、浮気相手に対する本気度を知りたいと思っています。』
私は「離婚を前提での調査ですか」と質問した。
男性は『浮気相手を真剣に愛していて、彼女が生活に困らない相手であるならば、離婚の選択肢もあります。』と。
『時間を掛けてじっくり調査してください。請求頂いた分はきちんとお支払いします。』
男性はいくら位掛かるのか全く聞くことはしなかった。
私を信頼してのことか、それともお金持ちの発言なのか。

婚約者の浮気調査【4】

彼に全てを確認した。彼は暫く黙ってから土下座をした。
本当にごめんなさい。誇れるとこなど1つもない僕が君を愛したことだけは本当です。嫌われたくなくて、ずっと一緒にいたくて嘘ばかりになってしまいました。半同棲状態の彼女には愛情はないけど、不敏で仕方なかった。子供は自分の子供では絶対ない。お金がなくて、ギャンブルで儲かるわけがなくても、儲けたい気持ちが!儲かるかもしれないとやめられなかった。正直に言えば、君を絶対失うから、結婚してから本当のことを話して、死ぬ気で信頼を取り戻そうと考えました。
彼は一瞬たりとも、私から目を逸らさず訴え続けた。
少し迷いも出たが、私には彼を受け止めることはできない。
私は彼に別れを告げた。
彼は泣きながら謝り続けた。
彼とは二度と会うことはないだろう。
これからは彼氏が出来たら早めに探偵に調査をしてもらおうと思う。
こんなに悲しい別れになったが、父親と優秀な探偵さんのお陰で、未来の大きな苦労を背負わなくても済んだのだから喜ばないといけないのだ。
早く気持ちを切り替えよう!

婚約者の浮気調査【3】

彼には同棲している女性と子供がいた。探偵事務所の調査によると同棲のみで籍は入っていないらしい。子供は彼によくなついていることが分かるような写真が多くあったから、彼と血が繋がっているのだと思う。女性は中国人でとても美人だった。女性に関してはそるだけではなかった。
他にも数多くの女性と遊んでいた。
本当に信じられなかったが、私のことなので受け入れなくてはいけない事実である。
父親の直感は当たったのだ。
彼は競輪、ボート、パチンコとあるゆるギャンブルにもはまっていた。
調査報告書に書かれていた内容は、全く知らないことばかりすぎて心の整理が直ぐにはできそうにない。
彼と話しをしなければならない。

婚約者の浮気調査【2】

あれから一ヶ月後。
母は探偵から報告書を受け取った。
母は開封もせずに私に報告書を渡した。
一瞬、彼に内緒でこんな調査をしている自分達がみっともなく感じた。彼にも申し訳なく思った。
でも父親を説得する必要もあったから
報告書を確認することにした。
報告書は私の知っている彼の日常ではなかった。

婚約者の浮気調査【1】

私は40歳の独身OL。
元彼と別れて5年以上経ったと思う。
元カレは超浮気性で何度も泣かされた。
男の人が信じられなくなって、元カレと別れた時は結婚願望すら無くなっていた。
たまたま友人の紹介で出会ったのが今の彼氏。
真面目で優しく理想的な人だった。
彼とは半年程前に付き合うことになり、私はとても充実した毎日を過ごしていた。
先日彼から結婚してほしいと言われ、私は少し早いとも思ったが喜んで受け入れた。
彼は私の両親に挨拶をし、結婚の報告をした。
母親はとても喜んでくれたが、父親は何故かやけに反対した。
何だか怪しいヤツだと言う。
もう私も40だから、快く賛成してほしかったが
父親は絶対結婚を許さないといって聞かなかった。
彼は嘘をついていると言う。
私は父親がボケたのかとも疑った。
母親は父親に納得してもらうためだといって、
彼の身辺調査を依頼すると言い出す始末。
でもそれで父親が安心するならと、母親の提案を受けることにした。
母親は、彼の身辺調査を探偵にお願いした。何社かの探偵に問い合わせて、一番安い探偵事務所に依頼した。彼を調べても怪しいことなど1つもないと私は確信していた。身辺調査は一ヶ月間おこなうことになった。無駄な出費で母が可愛そうに思った。

浮気する妻〈4〉

2週間後、先生から連絡が入った。
探偵事務所から調査結果が届いたと。
さすがに緊張した。私の知らない妻の行動を覗くことになるのだから。
弁護士事務所に入ると、机の上には分厚い調査報告書が置かれていた。探偵さんも同席してくれた。
弁護士は『不貞行為の証拠は十分揃いました』と。
私は恐る恐る調査報告書をめくっていった。
調査期間は連続7日間をだった。
探偵さんは細かな補足もいれながら丁寧に説明してくれた。
妻は日中毎日浮気をしていた。相手の身元も判明している。写真も鮮明だ。相手の男は誰が見てもイケテる奴だった。こんないい男が、何故こんなみっともない容姿の女を好むのか?分からない。性格が気に入ったのか?色々な疑問が頭をかけめぐった。
どちらにしても呆れるばかりだ。
これから暴力の証拠も揃え、離婚へ向けて進めていく。妻が望む慰謝料は払わなくてもすみそうだか、子供の親権を父親がとるのは通常は容易ではないらしい。先生は親権をとるのもなんとかなりそうだと言ってくれた。
離婚は大変と言うことは聞いていたが、それは本当だった。
これから離婚に向けて無駄な時間を費やすことにはなるが、先が見えていることに喜ばなければな、ないと思う。弁護士の先生と探偵さんにも感謝している。この人達に出会えなかったら、仕事すら手につかない状態になったかもしれない。
弁護士の先生は離婚相談のプロ、弁護士さんは浮気や身辺調査のプロで有名らしい。費用を心配したが、やはりプロは適性な価格だった。予想していた費用の半分以下で済みそうだ。
離婚までラストスパートだ!早くすっきりさせて、子供達と一緒に新たなスタートラインに立ちたい。

浮気する妻〈3〉

弁護士に相談した。
妻の浮気と暴力、情けないばかりだが、
先生は最近私のようなケースは増えつつあるという。
本当かどうかは分からないが、少しホッとした。
妻から暴力を受けたさいは必ず診断書をとらないといけないらしい。
浮気は不貞行為というらしい。全てが始めて経験することばかりで
いい年した男がと、やはり情けない気持ちになる。
浮気、いや妻の不貞行為を立証しなければならない。
先生は探偵を紹介してくれた。
これまで無縁だった探偵。妻の正体が明らかになるのか、、。
探偵は思いの外かっこいい青年だった。
とても礼儀正しく、さすが弁護士先生が紹介してくれただけのことはある。
どこかで探偵に対する偏見をもっていたのかもしれない。
探偵は、丁寧に調査の内容を説明してくれた。
簡単な調査になるだろうと探偵は言ってくれた。
探偵の予想では、すぐに立証できるケースらしい。
探偵くんのお手並み拝見だ。