説得

面接官に私は訴えた。経験はないですが、誰にも負けません。だれよりも結果を出して見せます。どうしてもここで働きたいです。子供は小さいですが、欠勤もしません。私を入社させて良かったと思って頂けるようにいたします。どうせ皆が続かないのなら、私にもチャンスをください。ダメと感じたら、解雇も構いません。フルコミッションでも構いませんと。私は一生懸命訴えた。こちらを選んだのは、お給料が高いからということも正直に話した。面接官は、少し考えさせてほしいと言った。一週間後に再度面接ということになった。

三重探偵物語 ~夫の浮気 1話~

私は三重県に住む専業主婦。結婚して2年目、夫は弁護士。とても真面目で優しい人なので、私はとても幸せだった。🍀

最初に夫の様子がおかしいと思ったのは、スマホばかり気にするようになった頃から。気が付けばいつもスマホを触っていた。それから、これまで出張などなかったのに、月一ペースで東京出張と出かけ、そのうち週一ペースに出張するようなった。

夫は背が低くてポッチャリデブ。決してモテる男ではない。この人が浮気なんて、、とは思うが、こんな状態が続けば浮気しかないだろう。

私はハッキリさせたくて探偵事務所に相談することにした。

もし夫が浮気をしていたらどうするかは、全く考えることはできなかった。

職探し

これまで私は職探しをしたことがない。前の勤め先はパパが探してれた。先ずは履歴書を書き、職安に行った。私の条件は、お給料が高いこと。金融の営業がとても高い条件でていた。👣勿論、営業なんてやったこともないし、金融なんてどんな仕事をするのかも想像つかなかった。

事務所は県内で一番立派な高層ビルのテナント。面接に行くと、大きなワンフロアーのとてもオシャレな事務所だった。イメージしていた金融とは少し違っていた。面接管はやさしそうな支店長だった。会社は上場会社。事業者向けの手形貸付、手形割引を行うノンバンクだ。面接では、営業の大変さや、女性の営業がいないこと、男性の営業でも3ヶ月もたないこと、ノンバンクのお客さんは達が悪いということ等、私には無理だという説明ばかりをしていた。そんなことを言われれば言われるほど、私はここに入りたいと思った。否定されるとスイッチが入るのかもしれない。

自立

性分というのはなかなか変えられないもの。彼にがっかりさせられることは数えきれない。とにかく家にいるのがとても苦痛だった。そんな道を選んだのも自分だし、別の道を選んぶことも私には出来たのだから、文句を言っても仕方ないとは分かっていた。今からでも『やっぱり無理』と言うことは出来なかった。一度許したことがそうさせるのか?

生活費を出さないことがこの頃の一番の悩みだった。彼はゴルフにも行くし飲みにもいく。でも生活費を殆ど出さない。柔らかく言っても変わらず、ケンカになってしまう。私は子供を義母に見てもらい、働きにいこうと思った。彼に話すと、好きにすればいいと言ったが、色々と細かな条件を出してきた。私は自分の決めた仕事につくから、あなたの条件など聞けないと抵抗した。彼は、『逆立ちしてもおまえは俺の収入を超せないんだから、適当なパートでもしておけばいい』と言った。私は彼の言葉が許せなかった。生活費すら出さないくせに、何言ってんだ!と。私が仕事をするのは、生活費と将来の子供のため。どうせ働くのなら、死ぬ気で稼ごうと思った。外に出れば、彼の両親とのやりとりも少なくなるから好都合だった。私は絶対自立すると誓った。

脅迫状

ある日、私宛に手紙が届いた。子供を連れて出ていけ!死ね!という脅迫じみた内容だった。彼もさすがに参ったようで、警察に相談にいった。私も警察に呼ばれた。警察官は、彼に向かって、『旦那さんの関係の人が犯人の確率が高い、あなたもそう思うでしょ』とハッキリ言われていた。彼は、恥ずかしそうな感じで『そうでしょうね』と。こういうことをする人には、きっぱりとした態度を取らないと、ストーカーが激しくなっていきますよ!ともアドバイスしてくれた。その日の夜もイタズラ電話はあった。彼はイタズラ電話にでて話し出した。『もういい加減にしてくれ!警察にも話したし、君とはもう二度と会わない!二度と連絡してこないでくれ!』と。

私は彼の隣でそれを聞きながら、変な感じになった。彼女も被害者なんだと。身勝手な彼の行動がきっかけになっているのは事実。やり方は間違っているが、、こんな人をここまでして振り向かせようとしているのか、恨んでのことかは分からないが、とても悲しい人になっている。

調査報告書

調査報告書は今でも私が持っている。彼には一切見せていない。報告書は、一言で言えば幼稚。私だったら100倍立派なものを作る自信があると言ってもいいほど、どうしょうもなかった。写真はほぼ後ろ姿。誤字だらけ。あの内容だと、調査員の質がかなり悪いのだろう。悪徳探偵事務所を選んだのも私だから、誰に文句も言えないが、、今後、探偵にお願いする機会もまずないと思うし、社会勉強と諦めるしかない。当初見たタウンページ、優しい女性ばかりが掲載されていた。惑わされず判断できるように心がけたい。

幼稚な調査報告書を丁寧に?✨見てみると、唯一、彼の横顔か写っていた写真があった。とても嬉しそうで優しい笑顔だった。彼女を選んでも私は悲しまないのに。でもいつかきっと彼と別れる日がくると私は予想した。

探偵諦める!

数日後、探偵は弁護士に調査報告書を郵送してきた。請求も取り下げた。これで探偵との問題は解決した。

探偵選びは正直難しいと思う。こんな探偵ばかりじゃないとは思うが、、でも良心的な探偵であったら、彼との結果はもしかして変わっていたかもしれない。探偵だけではない、弁護士も違う弁護士だったとしても 変わっていたかも。

彼はといえば、早く帰るようにもなったし、私に対してもとても優しくなった。でも私は彼を愛していない。もとの鞘に戻ったが、本心では彼のことも、彼の両親のことも、許せていないと思う。

イタズラ電話は更に酷くなった。多分、彼が早く帰るようになって、腹を立てているかのように。。

 

弁護士にガッカリ

弁護士が内容証明を送ったが、探偵も簡単には引き下がらなかった。要求を少し下げて50万と言ってきた。弁護士は多少の和解金を支払って裁判することを避け、早急に解決したほうが良いのではないかと言い出した。弁護士の言う和解金とは、10万程度。10万円が惜しいのではない。そういうものなのか、それとも弁護士が弱いのか?恐喝まがいの行為を平気でする探偵に対して、被害者がお金を出して和解を申し出るなんて間違ってる!私は弁護士に、『探偵には絶対お金は払わない。払ってほしいのなら、裁判でもなんでもすればいいと伝えて下さい!ついでに、調査した分の報告書を早急に提出頂きたい。70万も支払ってるのに、報告書も提出できないなら、こちらから裁判を起こすということも直ぐに伝えて下さい!』と言った。弁護士にもガッカリした。

ふと思った。こんなに感情的になる自分が、これまでになかったと。結婚して嫌な思いを沢山したおかげでこんなに強くなったのかと。ひどく怒ったり、憎んだりなんてことはこれまでなかったから、とても複雑な気分になった。パパはこんな私は好きではないだろうとも思った。でも私は、負けない強くなろうと決めた。

間抜け

『なんだこれー!?』と勢いよく彼が叫びながら私の傍にきた。彼は落ち着かない感じだった。よく見ると弁護士が探偵に送った内容証明そのものだった。この様な内容で送りましたという報告をファックスでしてしまったのだ。勿論、彼にはナイショだったし、弁護士だってナイショにすることくらい百も承知だった。弁護士なのに、、、呆れてしまう。彼は『探偵に頼んだのか?』とやわらかい感じで聞いた。私は『あなたが証拠をつかんでから言え!と言ったからよ』『自分は勝手なことをしておいて、何故私がこんなに酷い目に合わないといけないの』『生活費も入れない、殆ど家にいない、イタズラ電話はある、、、』『私はあなたと別れます』淡々と伝えた。

彼は土下座して何度も何度も謝っていた。かわいそうな位に謝った。私の決意は硬いはずだったが、彼の態度に負けてしまった。

弁護士

パパの友人に何人かの弁護士がいたので連絡をしようよと考えたが、何から何までカッコ悪過ぎで相談することは出来なかった。探偵で失敗したタウンページで探すことにした。さすがに弁護士だから騙されることはないと自分に言い聞かせ、県内でも大きそうな弁護士事務所に連絡してみた。相談料は1万程度。弁護士は、このての内容であれば、内容証明を送りつければ、大抵は引き下がりますよ、と。私は弁護士に任せて、早速対応してもらうことにした。支払いは4万円ほどだった。私はついでに離婚も予定していることも伝え、その際の親権等の手続きもお願いすることにした。デキル弁護士という感じではなさそうだが、難しい内容でもないから、心配はないだろう。とにかく探偵の問題を解決することが先決だ。